中国語の翻訳検定の結果と評価項目

中国語

前回、中国語の翻訳検定「中日ビジネス一般翻訳能力検定試験」を受けた時のことについて書きました。

中国語の翻訳検定を受けてみた
先日、日本翻訳協会(JTA)の「第32回 中日ビジネス一般翻訳能力検定試験」を受けてみました。 恐らく結構マイナーな試験なので、受験した感想が誰かの参考になればいいなと思ったのと、今後また受けるかもしれないので、記録として残してお...

試験日は11月13日でしたが、12月22日にメールで結果が届きました。
「結果は来年(2022年)1月中旬までに分かる」ということだったので、年明け以降に届くのかなと思っていましたが、思ったよりかなり早かった。

結論から言うと、審査結果は3級でした。

この記事では、具体的な評価の内容について書いていきます。

メールで送られてきたもの

日本翻訳協会からのメールには
・「審査結果通知」
・「評価表」
の2つが添付されていました。

「審査結果通知」は「今回のあなたの結果は◯級です」という証明書的なものです。
2級以上を持っていれば、正式に翻訳の仕事をする時、レベルの証明の一つとして使えると思います。
これについて特筆することはありません。

評価表」は細かい評価項目、各配点・得点、合計得点と、最後にコメントが書かれていました。
今回はこれについて見ていこうと思います。

級と得点の関係

まず大枠から。
級と得点の関係についてです。

日本翻訳協会のホームページでは「グレード(級)」と「レベル内容」しか書かれていませんが、今回送られてきた評価表には、各級に得点の範囲が明記されていました。

今回の僕の合計点数は77点だったので、3級からギリギリ抜けきらないレベルでした。
あと2点で「プロレベル」の2級を取れなかったのは悔しい…。
さすがに無勉ではムリでした。汗

評価項目(和訳):配点80点

それでは具体的な評価項目を見ていきます。
評価項目は「和訳」と「要約」の2つに分かれているので、まずは「和訳」について。
見た方が早いと思うので、評価表の該当部分をそのまま貼り付けます。

「和訳」には大きな評価項目が5つあり、更にそれぞれ細かい項目に分かれています。
僕の印象では、3「解釈訳出」と5「知識調査」がこの試験の根幹なのではないかと感じます

特に3「解釈訳出」
訳語の吟味が適切に行われているかとか、原文の原意を取り違えずにしっかり伝わる翻訳になっているかどうかは、まさに翻訳の土台。
この項目でギリギリ半分しか取れなかったということは、まだまだ改善の余地があるということでしょう…。

5「知識調査」は経験の量にも左右されると思いますが、ネット検索でなんとかそこそこのレベルまで行けたというところ。
たくさん経験を積めばもっと自信を持って専門用語を選べたり、パッと見ただけで理解できたりするのだと思います。

他方で1「表記」・2「訳し漏れ」・4「表現」は、正直なところ丁寧に日本語を書いていればカバーできるような項目だと感じます。
もちろん見直せる時間が無いと疎かになってしまうので、全体的なスピードも影響しそうな項目です。

評価項目(要約):配点20点

もう一つの大きな評価項目「要約」についてです。
※全5問のうち、要約しなければならないのは問題5だけでした。恐らく上の「和訳」は(問題5も含めた)全問題に対する評価で、「要約」は問題5の要約の出来についてのみ評価したものだと思われます。

評価項目が3つありますが、肝は「構成内容」でしょう。
「表記」と「字数」は、気をつけましょうという程度のものだと思います。

コメント

評価表の最後には、恐らくプロの翻訳者によるコメントが書かれています。
スクショを貼っていいのか分からないのでやめておきますが、「読み間違いがあった」「訳語が適切でない箇所があった」など指摘してくれている他、アドバイスや励ましの言葉も書かれていました。

ありがたやありがたや。
(できるなら直接指導を受けたいくらい…!)

まとめと感想

これまで、中国語関連の検定試験はHSKや中国語検定などを受けてきましたが、今回のように、中国語学習と仕事の中間に位置するような試験を受けるのは初めてでした。

受けてみて、かなり骨のある試験だと感じました。
マークシート方式じゃないこともあり、本当の実力を試されている感が強いです。
HSKなんかは6級を取ってからが始まりみたいなところがありますが、今回の試験で1級を取れれば、たぶんプロとしても十分やっていけるのでしょう。

僕は今のところプロの翻訳者になる予定はありませんが、今後翻訳能力を鍛えていくとしたら自分で練習を積む以外に、プロの翻訳者に指導してもらわないとレベル向上は難しいと思いました
1人でやみくもに翻訳練習をし続けても変なクセがついたりしそうですし、遠回りになってしまいそう。
大人しく翻訳学校に通うのが最善だと思います。

それと、今回受験してみて「翻訳者になって実際に仕事をし始めたら、このスピードで翻訳し続けないといけないのか?」という疑問が残りました。
そうだとしたらとても身体が持たないぞ…。
いや、経験を積めば自然と速くなっていくのかもしれません。

以上、前回と合わせて中国語の翻訳検定試験の受験について書きました。
今後も中国語関連でマイナーな検定試験を受けることがあったらシェアしたいと思います。

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