2023年5月頭、ビニールポットで売られていたビカクシダ・アルシコルネの小さな株を迎え、網付けにしました。
今回はアルシコルネにまつわる苦い思い出を振り返った上で、網付け後の様子をお伝えします。
苦い思い出
アルシコルネには苦い思い出があります。
去年(2022年)夏、通販サイトで苔玉の状態で売られていたアルシコルネを迎えましたが、ほどなくして枯れてしまいました。
原因は恐らく苔玉の中身が長時間湿りすぎたことによる蒸れと根腐れだと思われます。
僕の記憶違いでなければ、板付けの下準備として、家に届いた時の苔玉の水分が乾くのを待っている間に胞子葉がだんだんシワシワになってきたのだったと思います。
異変に気づいて苔玉を分解すると、苔玉は中心から順に
保水性の高い土→新聞紙1枚→水苔
という構造になっていました。
恐らく買われるまでの管理を簡単にするため(=水やり頻度を少なくするため)、そして運ばれている間に水切れを起こさないために保水性の高い土を使っていたのでしょう。
苔玉解体後に通気性の良い網付けにするも、時すでに遅し。
環境に慣れる前に板付けで根を傷つけたくないという考えが裏目に出てしまいました。
迎えて4日目に網付け
ということで今回はリベンジです。
去年の失敗を踏まえ、
- 家に着いてすぐにビニールポットから出す(土はやはり保水性の高いもので、結構な水分を含んでいました)
- 土を乾かして網付けし易くするため、根鉢を崩さずにそのままサーキュレーターの風とLEDの光が当たる室内で2日間放置
- ある程度乾いたのを確認し、土を7割くらい落とす
- ベラボン多めで網付け
という流れですぐに網付けにしました。
網付けしたばかりの写真がこちら。↓
表面は水苔ですが、中のベラボンはかなり多め。
網付けで裏側も蒸れないので、普通に管理していれば(我が家の場合、全体がほぼカラカラに乾くまで待ってからたっぷり水やり)根腐れすることはまずあり得ないと思います。
アルシコルネにとっては
- お店→我が家
- 保水性の高い土→ベラボンがメインのコンポスト(植え込み材料)
という2つの大きな環境変化を一度に体験するわけですが、乗り切れる生命力を信じます。
春だし大丈夫でしょう。
そして今回は成長点が1つしかない株を選んだので、株分けして弱らせるようなこともせずに済みました。
根は網付けする時コンポスト内に収まるように末端部分を少しだけカットしましたが、7割以上は残しました。
これで枯れてしまうことはないハズ…!
枯らしてしまった経験があると身構えてしまいます。
網付けから約1か月後
ちょうど1か月後の様子がこちら。↓
新しい胞子葉が出てきました。
環境変化で弱ることなく落ち着いてくれたようです。
ベラボンをたくさん使っただけあって、コンポストが乾くのはかなり早いです。
すぐに水切れを起こすほど弱くはないと思いますが、水苔の乾き具合を頻繁に確認するようにしています。
ビカクシダを買う時&買った後のポイント
ビカクシダを買った時&買った後このポイントについて、ここ1年半で得た教訓をメモとして残しておきます。
※僕が育てているのはネザーランド、ビーチー(ベイチー)、アルシコルネの3種類だけです。育成難易度の高い品種については分かりません。
なるべく春に迎える
春は成長期で根が育ちやすく、環境変化によるダメージから回復しやすいです。
ただし「家の中は真冬の朝方でも20℃を下回らず、サーキュレーターを一年中回していて、お高めの植物育成ライトを常時ふんだんに使っている」という方はいつ買っても大丈夫だと思います。
一番危険なのは恐らく冬で、迂闊に植替えや板付けができません。
そうすると売っていた時のコンポストと自宅の環境に合った水やりをしなくてはならなくなりますが、これは少なくとも僕にとっては難しいです。
春の次に安全なのはたぶん夏の終わり〜秋の始めですかね。
夏は同じ日本でも北から南まで地域差がありますが、僕が住んでいる東京都の東端と西端の真ん中くらいでは、ベランダがかなり暑くなります。
去年アルシコルネを枯らしてしまった原因の1つに暑さもあった可能性がありますし、我が家で育てているチランジアの一部は、真夏にちょっとバテているような感じもありました。
真夏でも、エアコンが適度に効いた室内で適度に遮光された日光が当たる環境があれば、ビカクシダにとってかなり快適だと思います。
…まぁでも、そんなに都合よく春に迎えたくなるとは限らないんですよね。汗
なので「なるべく」です。
成長点が混み合っていない株を買う
成長点が複数あるけどそれほど多くない場合or成長点が1つしかないのでそもそも株分けする必要がない場合、株分けによるダメージを最小限に抑えるor回避することができます。
今回迎えたアルシコルネは成長点が1つしかない株を敢えて選んだので、株分けをする必要がありませんでした。
ただし、成長点が1つしかない株は保険株を確保できないので、万が一枯らしてしまった場合はそのまま終了となってしまいます。汗
家に迎えてからあまり間を空けずに植え替えor板付けをする
これはビカクシダが快適に過ごせる環境があることが前提になりそうですが…。
自分で植え替えor板付けをする時は、当然ながらコンポストの内容を自分で決めるため、その後育てている時にコンポストの中の状態を推測しやすく、水やりのタイミングを掴みやすくなります。
例えば今回のアルシコルネの場合、コンポストはベラボン主体かつ網付けなので、「表面の水苔がカラカラに乾いている=中のベラボンもほぼ完全に乾いているハズ」と推測できます。
板付けのために株分けが必要な場合は、なるべく根に負担をかけない方法で分ける
どうしても株分けしなければいけない場合は、ダメージがなるべく小さくなる方法で分けます。
上手くいけば1鉢が複数株になり、万が一枯らしてしまった時の保険になります。
株分けの具体的な方法は以前の記事を参照。
おわりに
以上、アルシコルネがうまく馴染んでくれたというお話でした。
2023年→2024年の年末年始に恐らくまた1週間くらい家を空けるハズなので、それまでに大きくなって体力をつけてほしいものです。
今は、今年の夏の管理をどうしようか考えています。
室内に避難させて夏の終わりにまたベランダに出すか、遮光ネットを追加するか。
水やりのしやすさを考えると後者かな…。
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