不穏なタイトルですみません。
台湾人の妻と結婚して1年余り。
外国人の配偶者を持って目にしたこと・思ったことがあったので、それを書こうと思います。
普段、外で妻が台湾人だと話すと
「台湾いい所ですよねぇ~、行ったことあるんですよ、コロナが終わったらまた行きたいです」
「台湾いいらしいですね、いつか行ってみたいと思ってるんです」
ほぼ全員と言っていいくらいこの反応が返ってきます。
そんな中、先日コロナのワクチン接種時に妻があからさまに差別を受けたので、そのことについて書こうと思います。
結論から言うと、恐らく大陸の中国人と勘違いされて変な扱いをされたという話です。
まぁどこの国の人だろうとそういうのやめろって感じですけど……。
ことの一部始終
9月中旬に夫婦揃って1回目のコロナワクチン接種に行きました。
妻はまだ日本語がうまく話せないので、妻の受付から接種まで付き添った後に僕が接種を受けられるよう、時間を少しずらして予約していました。
会場到着~妻接種終了
接種会場に到着後、妻に付き添って受付→問診→接種→15分待機の順で回り始めます。
受付はスタッフさんたちも慣れてらっしゃってかなりスムーズ。
問診はいつものパターンで、お医者さんに「台湾いい所ですよねぇ~、故宮博物館に行ったんですけど1日じゃとても回れなくて、もう1回行きたいんですよ」と言われました。
ここまでは全然問題なかった。
そしていよいよ接種。
パーテーションで仕切られた接種ブースが2つあって、奥のブースへ案内されました。
中には注射を打ってくれる看護師さんと助手の方(2人とも女性)がいらっしゃいました。
僕は「通訳です」と名乗り、看護師さんの質問を妻に訳します。
「これまでに接種を受けて具合が悪くなったことはありますか?」「アルコール消毒は大丈夫ですか?」など。
この時の話し方で、なんかこの看護師さんめちゃくちゃ機嫌悪そうだなぁ~と思っていました。
そして「じゃあ打ちますね」と言うと同時に、まるでダーツを投げるかのような勢いで妻の腕に注射をしたんです。
全く誇張じゃなく、あの勢いです。
その瞬間の妻の顔→(>_<)まさにこんな感じ。
僕が隣で驚いて固まっている間に、
「はい!終わり!(`Δ´)」
「今日はお風呂はいいですけど激しい運動は控えて下さい。お酒も控えて下さい(`_´)」
起こったことを飲み込みながら15分待機の場所に移動している間、
「あの看護師さん、普段からああいう感じなのかな」
「朝から晩までワクチン打ち続けてもう嫌になってるのかな」
「そもそもワクチンの筋肉注射ってこんなもんだっけ……あれが普通なのかな」
「この後自分もあの看護師さんに当たったらああやって打たれるのか……」
なんて考えていました。
僕も学生時代中国に留学する前、破傷風やらC型肝炎やらのワクチンを打ちましたが、なにせ昔のことなので、どんなふうに打たれたかすぐに思い出せないわけです。
とりあえず妻には待機場所で待っててもらって、僕も受付に並びました。
僕の接種
今度は僕の番です。
当たり前ですが日本人なので、受付も問診もスムーズです。
そしてまさかの「奥のブースへどうぞ」。
終わった…(*_*)さっきの看護師さんだ。
「でも仕方ない、皆んなああやって打たれてるんだし」と覚悟を決めて奥の接種ブースへ向かいます。
注射を打つイスに座ると、まず名前を聞かれます。
僕「◯◯(名前)です」←当然ながら日本人と分かる名前
看(看護師さん)「あれ、さっきもいらっしゃってましたよね」
僕「さっきは妻の付き添いです」
看「奥さん、中国の方ですか?」
僕「台湾です」
看「あぁ、そうなんですか」
そしてマニュアルどおりの質問が終わり、いつグサッとくるかと思っていたら、………チクッ。
あれ。全然痛くない。
看「今日はお風呂は入っていいですが、激しい運動は……さっきも同じこと言ったから大丈夫ですかね(^_^)ニコッ」
僕「あ……はい」
頭の回転が早い人ならここで「さっき妻にわざと痛くしただろ!」とか言えるんだろうけど、僕は何が起こったのかよく分からず、モヤモヤしたまま待機場所に移動しました……。
だってそんなことが目の前で起きるなんて、咄嗟に信じられないじゃないですか。
家に帰ってから
家に帰って注射部分に貼られたシールを剥がした時の写真がこちら。
左が妻、右が僕です。
違いが分かると思います。
しつこいですが同じ看護師さんです。
思ったこと
今回の件について
恐らく大陸の中国人だと勘違いされて痛くされたんだろうと思ったのは、15分待機の場所で妻と話した後のこと。
あの看護師さんはもともと中国嫌いだったのか、それとも「中国が最初にコロナをしっかり抑えなかったせいで仕事が増えた」などとイライラしていたのか。
そういえば日本では完全に「コロナ」と呼ばれるようになって、「武漢肺炎」とか「武漢ウィルス」という呼び方は耳にしなくなりましたね。
どちらにせよ、だからって大陸の中国人(だと勘違いした相手)に向かって差別的な対応をするのはやめてほしいですね。
入管もひどかった
そういえば、ちょっと違うけど入管もひどいもんです。
妻の在留資格を申請するため、付き添いで4回くらい行ったことがあります。
番号札を取って待っている間、他の外国人たちへの窓口職員の対応を見ていましたが、何て言うか、日本に入国する外国人は全員潜在的な犯罪者だと思っているかのような態度でした。
- ものすごい無愛想
- とりあえず何でも疑ってかかる
- 威圧的
このどれかです。
申請書類や在留カードを投げてよこしたり。
こんな言い方するのもあれですが、そういうことをするのは中国の行政機関だけだと思ってた。(これも差別発言?)
そんな様子を見ていたので、今年入管の施設でスリランカ人女性が亡くなったという報道があった時、確かにショッキングだったけど「そういうこともありそうだな」と妙に納得してしまいました。
悲しいけれど。
ちなみに妻の在留資格取得に際しては「何でも疑ってかかる」をされて、思わず窓口で声を荒げてしまったことがあります……。
普段、特に外の人に対して怒りを露わにすることは滅多にないんですけどね(^_^;)
怒り慣れていないのもあってか、怒りで身体が震えました。
僕も一応海外で生活したことのある身なので分かるんですが、ああいう手続きって到着した直後にやらなきゃいけないし、しかもすごく重要なので、結構緊張するんですよね。
「必要書類は本当に全部忘れてないかな」
「窓口職員の言っていることを聞き取れるかな」
「自分の言いたいことを伝えられるかな」
「スムーズに手続きできるかな」
など、色々不安に思うわけです。
そんな時に潜在的犯罪者みたいに対応されたら、濡れ衣もいいところだし、怖いだろうし、「日本って案外こういう国なんだ」と思われるかもしれない。
それが許せませんでした。
おわりに
日本人として日本で生活していると、差別だとか、外国人が嫌な思いをしている場面を目にすることってそんなに多くないんじゃないかと思うんです。
少なくとも僕は今まで目にしたことがありませんでした。
僕も結婚相手が日本人だったら、上に書いたようなことも体験せずに終わったかもしれません。
当事者や準当事者にならなければ、不法滞在とか外国人の犯罪とかに注意が向いてしまって、スリランカ人女性のことを知っても「まぁひどいけど、でも事情を考えると……」なんて反論したくなっていたかも。
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